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体育館の床に寝転ぶ記者(手前)。体育館の床にはブルーシートが敷かれ、毛布の上で寝袋に入って寝ている=2025年1月18日、北海道北見市、参加者提供
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 能登半島地震は厳冬期の避難の難しさを浮き彫りにした。寒さの厳しい道内では、冬の備えが一段と重要だ。零下15度の避難訓練を体験し、命を守り、快適に避難所で過ごす方法を探った。

 18~19日、北海道北見市の日本赤十字北海道看護大学で「寒冷期災害と低体温症対策」として、災害演習が開催された。演習には道内外から、自治体や防災関係者ら約140人が集まった。記者(26)も参加し、体育館で一夜を過ごした。

 演習の想定はこうだ。道内で大規模地震により停電が発生。140人規模の避難所を体育館に開設する。電気、ガス、水道は使えない。備蓄している機材や食料のみで一夜をしのぐ。

 寒冷地防災に詳しい同大の根本昌宏教授によれば、寒さによる体へのダメージは循環器疾患と低体温症に注意する必要があるという。「血圧は簡単に20くらいあがってしまう」と注意を促す。また、低体温症を防ぐためには、汗や雨などでぬれないことが基本となる。

 まずは体育館の状況を確認する。午後2時で外気温は零下3度、室内は1度。最高気温の時間帯だという。それでも上履きがないと数分で足が痛くなるほど体育館の床は冷え切っている。

 ブルーシートを床に敷き座ってみる。座った瞬間から尻に冷たさが伝わる。配られた毛布を1枚敷いて寝ても、頭や背中など床との接地面の全てが冷たい。厳冬期の避難所では、毛布1枚では太刀打ちできないことがすぐに分かった。

 就寝までに、トイレの設置や段ボールベッドの組み立てなどを進める。トイレは高齢者や子ども、外国人など誰にでも分かるように、イラストや英語などを用いて使い方やルールを紙に書く。

零下14.9度まで下がる気温「冷気で起きた」

 段ボールベッドの設置も一筋…

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